万華鏡





瞼を開くと 鮮やかな色が見えた
千切れた色 砕けた色 滲んだ色
まるで万華鏡が回るみたいで
砕けた景色が踊って零れていくよ
あきれるくらいの 美しい 景色
僕の瞳に花を敷きつめて

空があんまりに白々としていたから
泪と歌をばらまいてみた
月を迎えるように眠っていく空は
僕の景色を焦がしていく

やっとわかったんだ
僕の瞳なんて ただのガラス玉
これが本当の景色なんだ
これが本当の世界なんだ
今、全てわかったんだ

ぐるぐると回って
いくつもの色の中で僕は歌って
空が燃える音も
月が堕ちる音も
砕けて 踊って 零れていくよ
あきれるくらいの美しい景色
僕の瞳に花を敷きつめて

月が海に堕ちていく
海が空に溶けていく
僕は、空に消えていく。










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