LORELEI




揺らめいた灯火が闇に滲んで  夢を焼いて溶けていく
逆さまに飾られた箱舟を    ご機嫌な猫がひいていく
瞼を閉じたら   私は人魚に
幕の下りたこの夜を   今日もまた泡のような星屑の歌が彩る

長い睫毛で縁取られたこの舞台は確かで
一粒の泪で世界は簡単に溢れ出す
あなたの瞬きを縫い付けてしまいたいわ
終わらない世界で さぁ手を引いて

月に頬を寄せて横たわり    夜を翻して口ずさむよ
終わらない歌を歌おう     獏の足音が届かぬうちに
約束なんてひとひらで   裸足で走り出す
幕が上がるその前に   星を掬い上げて散らかしてしまおう

長い睫毛で縁取られたこの舞台は愚かで
一粒の泪で世界は崩れ出す
あなたの囁きを砕いてしまいたいの
愛おしい世界で さぁ手を引いて

歩みを奪わないで  この想いはとめどなく
声を奪わないで   どうかこの歌を   あなたに

虹色の尾を引いて  キラリ滲む星がひとつ

果てなく続く世界を  溢れ出した星の泪。










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